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松尾 祥史*; 鈴木 宗泰*; 野口 祐二*; 吉村 武*; 藤村 紀文*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(11), p.8464 - 8467, 2008/11
被引用回数:11 パーセンタイル:42.07(Physics, Applied)新規強誘電体LuFeOの鉄サイト置換体LuFeCuOを合成し、その誘電性と微細構造について調べた。室温における透過電子線回折によって観測された微細構造からは、ab面内に3倍周期を持つ、FeとCuの長周期構造の存在が見いだされた。この構造は、LuFeOにおける鉄電荷秩序構造と類似しており、電気双極子を持つ。また、実空間像からは、510nm程度の小さなドメインが観測され、電気双極子を持つドメインが形成されていることを示す。誘電率測定からは、500K近傍で誘電率にピークが見られ、ピークにおける誘電率は1000程度であり、誘電体であることを観測した。講演では、酸素アニールによる誘電特性やドメイン構造の変化についても報告する。
吉井 賢資; 米田 安宏; 真栄田 大介*; 横田 祐輔*; 道内 尊正*; 小松 拓磨*; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7599 - 7602, 2008/09
被引用回数:8 パーセンタイル:33.23(Physics, Applied)新規強誘電体RFeO(R=Y,Ho-Lu)の性質を明らかにするため、標記酸化物の物性を調べた。RFeOのうち、物性の報告例のないHoFeOを合成し、磁性と誘電性を調べた。誘電率は室温で1000程度であり、ほかのRFeOと類似であるが、誘電応答における系の乱れと磁気転移温度は明瞭な違いが見られた。この違いは、酸素量の違いに由来すると推測される。また、希土類サイトの置換を行い、物性を調べた。最もイオン半径の異なるYとLuの間で混晶が作成でき、その物性が非混晶系と類似であることから、R=Y,Ho-Luの間で混晶が作成でき、物性も非混晶系と本質的に同じと推測された。さらに、LuFeOのLuの一部を、希土類の中で最も小さいScに置換した。X線回折からは、20%ほどのSc置換が上限であることがわかった。誘電性はLuFeOと類似であったが、磁気転移温度はSc置換により、250Kから200Kへと大幅に下がった。このことは、希土類サイトの置換により、物性コントロールが可能なことを示唆する。
森 茂生*; 篠原 聡*; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7595 - 7598, 2008/09
被引用回数:12 パーセンタイル:44.53(Physics, Applied)新規強誘電体FeO(=Y,Ho-Lu)の一つであるYFeOの性質を、おもに電子線回折によって調べた。室温における測定では、強誘電性の起源である、ab面内に3倍周期を持つ鉄電荷秩序が観測された。また、c軸方向には2倍の長周期構造が発生していることもわかった。温度を変えて行った測定では、高温600K近傍では、基本単位格子(空間群)に由来する反射のみが観測された。温度を下げると、500K近傍では、上述のab面内の3倍周期構造が現れ、室温近傍ではそれに加えてc軸方向に2倍周期が現れる。試料温度100K以下では、[119]方向に7倍周期という、この物質に特徴的な構造が出現することがわかった。これらの結果を、誘電特性と関連付けて議論する。
米田 安宏; 吉井 賢資; 小原 真司*; 喜多川 修二*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7590 - 7594, 2008/09
被引用回数:24 パーセンタイル:65.66(Physics, Applied)BiFeOとBaTiOを固溶させた(1-)BiFeO-BaTiOに関しては、Kumarによって室温での構造が=0.33近傍でcubic構造となり、誘電率が増加することが報告されている。また、この混晶の電子顕微鏡観察が森らによって行われており、=0.33の試料では電子回折パターンに散漫散乱が現れ、暗視野像においてツイードパターンが観察されることが報告された。平均構造がcubicであるにもかかわらず、何だかの強誘電的ドメインが観察されるということは、長距離構造には現れないローカルな強誘電性発現機構が存在することを示している。そこで、高エネルギーX線回折で得たデータを元にpair-distribution function解析を行うことで、(1-)BiFeO-BaTiOの局所構造を明らかにし、強誘電的性質とのかかわりを示すことを試みた。その結果、BiOポリヘドロンはBiのlone-pair電子のために歪んだ構造をしており、この局所的な歪みが分極発現機構となっていることがわかった。